2011/1/20
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トイレチェックシートは提供するトイレの効率的な管理にとって欠かせない存在である。
事業者が所有のトイレを管理、清掃する際、それらの定期的な作業を清掃業者などの専門の事業者に委託するケースと、トイレ所有事業者の従業員などが自ら担当することで、管理、清掃を行うケースが考えられよう。この中で、前者の場合は通常、業務資格を有していたり、清掃のマニュアルやガイドライン、実際の従業員向け研修などで、高度な清掃技術を習得しているケースが一般的である。一方、トイレ所有事業者の従業員などが自ら行う場合、専門的な知識や技術を持ち合わせておらず、その練度は清掃を担当した者によりまちまちとなってしまう。このような場合に、管理、清掃レベルを維持する手段として、トイレチェックシートは特に重要となる。
言うまでもないことであるが、トイレ所有事業者の自らが管理や清掃を担当する場合、施設管理費の削減などを実現できるが、管理、清掃担当者がその専門家ではなくなり、清掃レベルが落ちることが懸念される。特に利用者が多い公共施設などの場合、清掃レベルの低下がトイレ環境の悪化と鏡写しとなる。
また、厳格な衛生基準が求められるケースなど、トイレ所有事業者の業種などによっても、自ら管理、清掃を担当することが、大きなリスクとなる場合もある。
よって、トイレ所有事業者が自ら管理、清掃を行う場合は、前もって当該トイレを管理するための業種、環境などに合わせた適正な基準を設けて、それに沿って定期的な管理、清掃を行うことが求められる。また、事前に基準を策定することは、最終的なリスクやコストを抑えることにも繋がる。
例えば、コンビニエンスストアやファミリーレストランにおいて、トイレチェックシート(管理表)を目にすることがあろう。これにはどのような意味が含まれていようか。
トイレチェックシートが利用者の見えるところに備えられていれば、そのトイレは一定の基準に沿って定期的に管理、清掃がなされていると合理的にアッピールすることができる。さらに、何かの問題が発生した場合も、チェックシートを用意している場合とそうでない場合の利用者の反応は、全く異なるものとなる。万が一、トイレの故障やトイレットペーパーが切れていた場合、チェックシートがあれば利用者は、『前回の管理、清掃以降に故障が発生、もしくはトイレットペーパーが切れたのだろう、さぞかし前に利用した人は荒い使い方をしたのでは』と考えるかもしれない。一方、チェックシートがなければ、『この店(施設)のトイレは日頃から汚いのでは』ととられかねない。
同様に、衛生面などの大きな問題が発生した場合にも、事前に管理、清掃基準を設けておくことは、問題の極小化に役立つだろう。
トイレチェックシートが掲出できない業種もある。高級感の演出にはチェックシートの掲出は不適切だろう。このような場合には、管理、清掃の回数を増やし、絶対的な清潔度を常に高めておく必要がある。
REST.jpは利用者がトイレを評価できるサイトである。自らがトイレを利用する際に気付いたことでも、いざ提供者側となると死角となってしまう部分もある。今回REST.jpの評価項目も踏まえ、最低限必要チェックが必要であろうトイレ提供者用のトイレチェックシートを作成した。管理、清掃計画の新たな策定や見直しなど、日々の管理の中で役立てて頂ければ何よりである。
□トイレチェックシート
http://rest.jp/atc/tcheck_110120.pdf(PDF)
REST.jp編集部