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優良トイレ認証の取り組み『とちぎハートフルトイレ』

2011/2/4    取材:栃木県観光交流課

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道の駅にしかた認証ハートフルトイレ
直近のハートフルトイレで認証された道の駅にしかた

『ハートフルトイレ』この言葉をご存知だろうか。これは、栃木県が優良トイレを認証し、観光地を中心とした県内のトイレ美化推進と、県民のおもてなし意識向上を図る取り組みである。

この『ハートフルトイレ』の認証を受けるには、栃木県の観光交流課が定める『清潔さ』 『安全管理』『利便性』『案内表示』の四項目について一定基準を達さなければならない仕組みとなっおり、ここで認証されたトイレはその後3年間、『ハートフルトイレ』の称号が与えられる。審査は2007年度以来これまでに5回行われ、直近では2010年11月に10箇所のトイレが認証された。これまでに認証されたトイレの総数は100件に達している。

道の駅にしかた認証ハートフルトイレ
観葉植物が配置された道の駅にしかたのトイレ内

栃木県は日光や鬼怒川温泉、那須高原など首都圏有数の観光地を数多く抱え、観光客数も多い。ただし、長引く景気の低迷や人々の娯楽の多様化などで、休日は一様に観光地へ、とはなりにくいのも事実。少しでも多くの観光客を呼び込みたい観光地では、この取り組みをトイレ美化へのきっかけとしてとらえ、より魅力的な観光地作りへの意識改革が行えているのではないだろうか。

道の駅にしかた認証ハートフルトイレ
トイレ内も綺麗に清掃されていた

これは『ハートフルトイレ』取り組み実績からも見て取れる。これまでこの取り組みに参加した自治体、企業、団体の数は延べ78、申請されたトイレの数は213箇所にのぼる(うち認証されたトイレは100箇所)。この取り組みにおける特徴は『認証トイレ』であり、あくまでも認証を受けたトイレだけがハートフルトイレとなる。しかし、認証を受けられなかったトイレであっても、ここまでの数の組織が、自ら前向きにこの取り組みに参加しているというのは、大きく評価されるべき点といえよう。

そもそもこの取り組みのきっかけは、2006年度から行っている観光基盤整備事業である。これは、観光地における観光客の満足度向上を目的として、公衆トイレや外国語対応案内標識などの整備を行うもの。この一環として、観光客の一層の満足度向上と、住民のホスピタリティの機運醸成を図るべく『とちぎハートフルトイレ』の認証がスタートした。

道の駅にしかた認証ハートフルトイレ
道の駅にしかたのハートフルトイレ認定書

では、『ハートフルトイレ』の審査基準を見てみよう。詳細な審査項目は『清潔さ』で5項目、 『安全管理』で6項目、『利便性』で8項目、『案内表示』で5項目、計24項目設けられている。具体的には、『便器の汚れ』や『清潔さ』を確認する項目から、『設備故障・破損時の対応可否』、『トイレの立地環境』、また構造的に難しい場合もあるであろう『男性用トイレでの小便器の確保』などもある。これらの審査基準をクリアしているか否か、書類審査と現地調査を行い判断、24ある全ての審査項目に適合したトイレが認証される。

実際に『ハートフルトイレ』の認証を受けたトイレに入ってみた。向かった場所は『道の駅にしかた』。この道の駅のトイレは前回のハートフル認証トイレである。入ってみた感想はまずきれいなトイレであるということ。トイレ施設自体の新しさに加え、所々に配置された観葉植物が彩りを添えている。臭気も一切なく換気が良好で、入った時点では清掃も行き届いていたように感じられた。施設設備面も、車椅子利用者用の駐車スペースの確保や、トイレ設備内容の掲示など、栃木県が制定している基準がクリアされていることが分かった。

この取り組みで、特に観光地を有する地域住民のトイレに対する意識は大きく変化したであろう。栃木県が行う『とちぎハートフルトイレ』の新規認証の取り組みは今年度をもって終了する予定であるが、地域住民のトイレに対する美化意識の高まりを活かし、今後同様の取り組みが県内市町村に広がっていくことを期待したい。